結束バンドは簡単に配線を縛ることができるため、家庭での作業から建築設備における電気設備工事に至るまで幅広く用いられています。電線の結束は電気設備工事について記載された電気設備技術基準では簡易な工事とされていて、一般的に作業することができるため電気工事士資格を持っていない人でも行うことが可能です。しかしながら、作業が簡単にできるからといってむやみに縛ることは避けなくてはなりません。ケーブルは導体のに周りを絶縁体で覆ってからさらに外部をシースで被覆している二重構造であります。

導体には抵抗分が含まれていますので、流れる電流によってジュール熱が発生し線全体が熱を帯びてしまいます。線が1本ではあまり気にすることはありませんが、複数のケーブルをひとつに束ねてしまうとそこで熱が蓄積されます。溜まった熱が絶縁体やシースの温度を上昇させ発火すると、火災や絶縁不良などの事故を引き起こしかねません。国内で起こる火災のうち、電気による発生件数は決して少なくなく、その原因のひとつがケーブルの布設に起因しているのは間違いありません。

技術基準では一度に結束できる本数の上限が定められていますので、この値を超えることなく縛ることで、火災などのトラブルを未然に防ぐことができます。基準では、縛る配線の種類やそこに流そうとする電流値から上限本数が明記されているのです。本数の上限は、温度対策のためだけではありません。結束バンドには許容荷重が定められていて、この値を超えるような数の線を縛ってしまうと脱落などの原因になります。

脱落することによって、機器接続部からの脱着や動作停止などの故障に発展します。よって、結束バンドに記載されている許容荷重値を確認した上で、その値を超えることなく作業することが求められます。

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